裏山へ 木の実と葉の一芸

天気は快晴。いつもの裏山へ。
ハサミとノートとカメラとメモ帳を持って行く。
いつも持って行こうとして忘れてしまう「木の皮図鑑」も今回はわすれずに。
何を見つけるかはとくに決めずにいってみる。何度も何度も歩いている裏山だけどほんとに毎回違うものに目がいく。ふゆになってから2度目の山。春は山菜に目がいくし、夏は虫ばっかり気になる。秋になるとドングリだけどハチやクマが気になる。冬の山はどんなだろう。
冬の山はとっても静かだった。ある木の下で樹の皮を観察して何の木だろうとじっとみてたサクッと枯れ葉の上に何かが落ちる。どんぐり。しばらくするとまたサクッと。30秒に1回くらいおちる。なんかすごくマイペースな時計みたい。
ちなみにそのドングリはアラカシ。
隣の木をみるとまた違う樹の皮、持ってきた図鑑は縦縞、横縞、など見た目でみつけていくんだけど、老木か若木かで全然状態が変ってしまうみたいでなかなかみつからない。これだ、と思ってページをめくってみると葉っぱが全然違う。

ネムノキの老木


ネムノキの若木


樹の皮だけじゃなくて葉っぱもみなくちいけないとなると葉っぱの特徴を見つけるのもなかなか面白くなってくる。先っぽだけすこしシュっと長くなってたり微妙に
しゃれている。こうやってくうち今日確認できたのは

ネムノキ、ミズキ、クマシデ、アラカシ

クマシデ


冬は葉が落ちているので実が色をつけているとなかなか目立ってきれいだ。
最初に目についたのは地面に落ちてた青い実。これはリュウ(竜)ノヒゲ。正式名はジャ(蛇)ノヒゲらしい。宝石みたい。

木の実を他にも探してみようといろいろ探してみた。

紫の実と赤い実、黒い実、ゴムみたいな黒い実。
調べたけど全部名前が今のところわからず。
天気が良くて太陽があったかいはずなのに図鑑に夢中になって立っていると段々寒くなってきたので5分で着いてしまう山頂へ。

山頂はさらに静かだった。枯れ葉の落ちる音もわかる。虫も鳥の声もしない林の中で枯れ葉が落ちるのをじっとみていた。木の種類、ついてる場所や枯れ具合によって形が違うしその時吹いてた風の具合も違うからそれぞれ落ち方が違う。



世界中で私しかみてない枯れ葉の一芸をみてるみたいでだんだん楽しくなってくる。あんまし風が吹いていなかったのでなかなか落ちなかったり。

遠くからザワザワザワっと枯れ葉の揺れる音が近づいてくるとカメラを構えてその一芸を激写した。葉のソロ公演。たまにユニットだったり、劇団だったり。


ザワザワの音をきいていたら宮城の登米市に行ったときに地元のおじいさんに聴いた話を思い出した。登米市は南三陸から山こえていったところにある。私が参加していたボランティアセンター(RQ)の拠点がここにあった。地元の方が何件かのお宅に貰い湯(お風呂をかしていただくこと)をさせて貰ったときにきいた話だ。
おじいさんの話によると登米も元々地震の多い土地だそうで大きな地震も度々あるようだ。地震の種類にもよるのだけど揺れる前に地鳴りがするらしい。どんな音かと聞くと遠くからザワザワとした音が段々近づいてきて次第に大きくなりその後揺れるそうだ。地鳴りというからといって地面がゴーーーっていうより地面に生えている木がゆれて葉が一斉に揺れてとまっていた鳥達も一斉に飛んでくのが合わさったような音らしい。それをきいてから現地で体験した地震のいくつかで私も地鳴りらしきものを感じる事ができた。音としてはっきり聞こえる感じではなくて「あれ?なんかへんなかんじ。」という程度だ。

そういえば一斉に葉を落とす木があると漫画で読んだ事があるのだけどほんとなのかな。